坂の上の雲(2)
土曜日のブログの続きを書こうと思います。
木村木材工業㈱さんのブログに当社のことを書いていただきました。
(木村社長、ありがとうございます。)
いろんなご助言をいただいた中で、
自分の考えが変わりつつあることがあります。
「『ものがたり』は大切ですよ。他社は製品にものがたりをつけていない」
とおっしゃっていただいたことが、今自分の考え方を大きく動かしています。
弊社の椎の木製品は、『ものがたり』をつけています。
これは近隣の地名に椎の木峠や椎の木トンネルなどといった名称がつけられていたので、
気になって調べてみたら長門市には椎の木の歴史を持っていたことが判明したことがきっかけです。
なぜ今考え方が変わりつつあるか、というと、
過去自分が林業・製材業界に入ったときに、
ものがたりが先行し、品質が伴っていない例を何度か目にしました。
(〇〇オ木材乾燥庫なんてのは典型的な例)
それ以降、木材は自然素材だが木製品は「工業製品」であるという考え方を持っています。
今でもそれは変わりありません。今も品質の基準はJASだと思っています。
そのため、物理的・化学的根拠の無い工程は材木屋が勉強していない証拠、とまで思っていました。
例えば、
・新月伐採
・葉枯らし乾燥
・輪掛け乾燥etc…
さらには費用対効果から、
・山から枝葉を持ち帰ること(残った枝は肥料にもなるのでまだ判断つかず)
・小規模なバイオマスボイラー
・木質ペレット
これらも無駄なこと、と思っていたふしがあります。
しかしそれは私の独りよがりだったのかもしれません。
一番わかりやすいのは新月伐採です。
正直、科学的根拠は乏しく、
実際時期をずらして伐採したものと変わらなかったという報告もあります。
しかし、昔の話はやはり重みが有りますし、
それだけ素材に気を配っているならそこから買いたい、と思う人も多いでしょう。
国産材の需要発掘につながる「ものがたり」。
根拠に乏しく無駄な工程だとしても、
最終的に品質が担保できる製品を供給されているのであれば、
それはそれで良しとしてもいいのかもしれません。
前々から意味の無いと思っていた「輪掛け乾燥」について、
乾燥の研究者として有名な九大農学部の藤本先生に質問してみました。
すばらしい回答が返ってきました。
これはまた後日書きたいと思います。
2011年8月1日 | カテゴリー:業界のこと |