誰もが知っている日本有数の巨大自治体の公共事業で、
当社の独自製品を使いたいと製品流通業者様から連絡があった。
そのためには、その巨大自治体と当社の属する自治体が協定を結ぶ必要がある、と。
宣伝効果、地域材使用増、雇用推進、全国的にも独自性のPR、他自治体への普及等、
当社の属する自治体が損をすることはまったくないと思う。
いや、片田舎で独自性のない自治体にとってはチャンスとも思う。
でも組合で受けないと協定を結ぶことは難しいらしい。
一方、競合相手はすでにその巨大自治体と協定を結んでいる48の自治体。
そこにぶら下がっている企業は1社だけの自治体も多い。
組合で参加しているところは、全国的に見ても能力と実績があるところだ。
通常の勝負をしていたら勝ち目なんてあるわけがない。
相手は木材界を代表する企業、上場している企業だってある。
全国有数の木材産地の自治体も多々ある。
それらが全力で巨大自治体に地域活性のため今もPRしている。
そのような中で、
誰が好き好んで、何のとりえもない遠方の材料をわざわざ買うだろうか。
何も努力しない人が努力している人に勝てるわけがない。
さて、当社がずっと前から独自に開発を進め、
営業等も長年繰り返し、ようやく生産体制が整い、
地元の優良工務店でも東京の代理店でも認められ始めた大事な大事な製品。
他県の優良な製材会社に少しでも追いつくべく、
また独自性を出すべく時間も人もお金も多く出した。
そのような中、
東京の製品流通業者様からは、シンラテックの製品に「勝ち目あり」とのこと。
なぜなら他の競合相手にはできない製品だからだ。
だが当の自治体が1社の利益になることで協定を結ぶのは難しいとのこと。
残念ながら、それでは他の自治体に勝つのは無理だ。
なぜなら、そもそも組合での実績がまったくないからだ。
競合がない地元の公共工事ですら、まともに取れない。
(当然これは私の責任もある。全製材所の責任だ。)
このあたりの事情を自治体の担当者に認識していただくのは難しく、
私がその自治体の担当者なら、きっと同じことを言ってるだろう。
森林組合等の素材生産者などとは多く協定を結ぶため1社ではないのだが・・・
とはいえ本当に困った。
さぁどうするかですが、
・当社の独自技術をすべて近隣の同業者にオープンにし、
技術指導、生産管理、品質管理、をすべて行い全責任を負う
・他社にできる部分だけ(例えば製材のみ)を発注し、
当社がそれに対し生産管理、品質管理をすべて行った上で、
残りの生産工程を行う
・自治体によくよく事情を説明し、
横一線で行うことが無理であることを伝え理解していただく
・・・どれも無理な気がする。
ここまで来るともはや組合も、地域にとって役に立たない。
必要悪ならぬ不必要善だと思う。
(良さそうに見えるが、存在自体がまったく不必要であるもの)
2012年5月22日
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