河崎先生からの解答
この日、日本製紙木材㈱岩国営業所の所長から私の携帯に電話が。
テレビ・新聞にでているリストラ策について、
26日に今後の方針を説明するとのことで、私の中に緊張が走る。
今後の状況に対し、冷静かつ迅速に動けるようにしておきたい。
さて、先日のブログに書いてましたとおり、
最近の構造材の乾燥について、いろいろな情報が交錯し迷ってました。
そのことを岡山県の河崎先生と、
当社が導入している乾燥庫メーカーの印出社長に聞いてみました。
河崎先生からこの日回答をいただきました。
河崎先生がすばらしいのは、研究内容もさることながら、
物事の良し悪しをはっきり理論的に言われることです。
その内容には迷いとか変な配慮は一切無く、
業界のために良いか悪いかを判断基準にされていらっしゃると思います。
木材業界は天然のものを扱うため、何かとあいまいな表現やはっきりしないことが多く、
一般の人(建築業界含む)はこの業界に振り回されている感がしますし、
私もたまに何が正しいのか不安になることもあります。
河崎先生に聞けば全部裁いていただけるので、本当にありがたいです。
私一人ではもったいないので、先生からのメールの要点を以下にまとめます。
Q.芯持ち構造材を高温乾燥させることはもう過去のものになっているのでしょうか?
現在、中温もしくは天乾が一般的になってしまっているのでしょうか?
A.
・現在の建築業界において、高温乾燥材の使用量は以前に比べ伸びている
・ただし高温乾燥(初期高温+残り中温)にも一部リスクがある。
このリスクは示すべきである。
・そのリスクに対し、高温乾燥を目の仇にして全面否定する工務店さんもある
・製材所は、一部高温で残りほぼ中温のようにし、「高温乾燥」という表現を避けるところもある
・高温が良い、中温が良い、天乾が良いということはない。それぞれメリットとリスクは当然ある
・ただし芯持ち無背割り材を、材面割れを抑制させながら乾燥させる技術は、
今のところ高温乾燥以外に実用化されているものは無い。
・だからと言って、すべてが高温乾燥で収束することは無い気がする。
・すなわち今後も新しい乾燥法を開発することが必要になってくると思う。
・建築業界では寸法安定性が高い材を今後も望むはず。
・天然乾燥に回帰している工務店もあるが、良質な人工乾燥材が手に入ればまた戻ってくると思う
以上です。
2011年8月9日 | カテゴリー:業界のこと |