「そうかなぁ」の一言が迷わせる
地域財(材)を活用した健康・省エネ住宅を推進する国民会議の事前勉強会・懇親会に出席。
上原先生には現状の住宅への健康面での警鐘と今後の指針を、
伊香賀教授の説明は、高知県の実態と現実を話していただきました。
建築側(川下)と山林側(川上)の方々の連携について、
建築側は理想論をどうしても追い求め、山林側は現実を見すぎているため、
どうしてもお互いの間に壁が生じてしまうと思っています。
その壁を取り払い、本当に両者が連携を取れ、成果物が出せる場として大変期待していますし、
期待するだけでなく自らが成果物を出すような動きをしなくてはいけません。
懇親会では、普段会話ができないような方々と意見交換ができました。
その中で、どうしても木材乾燥の話、先日見学した乾燥庫の話題もでてきます。
健康住宅にとても熱心なシマダ株式会社の嶋田社長からもいろいろご提案いただきました。
そのなかで、私の持論(というか、ごく一般論だと思うのですが)である
「木材はまず大前提に乾燥させないといけない、そこで強度・寸法安定性を担保しなくてはいけない」
と申しあげたところ、その場にいらっしゃった株式会社安成工務店の安成社長の、
「そうかなぁ」
の一言が頭から離れません。
そもそも木材は自然界のものであるため、建築材としては完全な素材ではありません。
しかし自然のものであるからこそ色々な特性をもっており、
その点がとても魅力的なのは言うまでもありません。
だからこそ製造側は「品質を担保する」必要があります。
弊社で主に製造している内装材等は直接手に触れ目に見えるからこそ、
とくに品質には気を配らなくてはなりません。
しかし構造材に関しては、乾燥不十分でもよい、という風潮になっているのか?
天然乾燥材・もしくは天然+仕上げ中温が最高の品質という風潮になっているのか?
高温乾燥の欠点は理解しているつもりですし、高周波は運用が難しいことも理解しているつもりですが、
例えば天乾+中温にも欠点はあるのですが、それは許容されているのか?
マーケットのニーズを把握されている方の言葉は非常に重い。
「そうかなぁ」が迷わせる。
木材を取り扱う人間が迷うことは良くありません。非常にまずいです。
いま市場はどうなっているのか、私が信頼している先生に相談することにします。
結果はまた報告します。
2011年8月6日 | カテゴリー:業界のこと |