facebookでの投稿「違法伐採の木で作られた紙」その4
>HS さん
只今ラオスにおります。ある意味東南アジアの天然林伐採の最前線でもあります。ご紹介いただきましたポスターを拝見して…色々思うところがあるのですが、2点だけ。
まず、「違法」というのは何をもって違法と言うのでしょうか。例えばラオスの場合、樹木を伐採し丸太を売却するためには、農林省の事業許可と伐採許可が必要なのですが(縦割りのために2つ許可が必要)、伐採許可量の1.5倍から3倍の丸太を搬出するのが通例になっています。酷い時は数倍以上とも。その加減は(ry
しかし、これは書類上は正規の手続きを経ているので、流通上は合法木材です。事業許可・伐採許可証の発行は既得権益化していて、その取得には多額の経費がかかるため、伐採業者はそれに見合う材を出そうとします。背景にはモラルだけではなく、公務員の深刻な低賃金の問題があります。
反面、所定の手続き(大人の事情含め)を経なければ、どんなに少量伐採であっても、違法は違法です。つまり、法制度とは何のためにあるのか、合法であることが本当に森のために寄与しているのか、誰がその判断をするのか、という問題。貴方の国の責任でしょ、で済まされるのか。
もう一つは、焼畑の問題。ポスターの写真では火入れを行った森が映っていますが、この跡は一度耕作した後に放置されるか、ユーカリやゴムなどのプランテーションになるのでしょうか。
今このことの是非は追求しませんが、申し上げたいのは、焼畑という技術自体が悪者としてスポットを浴びることが一因となって(政治的に利用されることで)、特に北部山岳地の焼畑農業のコミュニティや技術が破壊されつつあるということは事実です。
粗放な火入れ→プランテーションと伝統的・持続的な焼畑技術は別途に考えなければならないのですが、一色単に議論されがちになっています。
某氏の言葉ではありますが、「森を守れが森を殺す」とは、まさにこのことではないでしょうか。近藤様のおっしゃいます通り、このポスター、誰に何を伝えたいのか。率直な感想でございます。
>HSさん
なるほど、Aさんのコメントでポスターの意図の理解が進みました。ありがとうございます。ちょっとややこしいですね。
>Aさん
Sさん、すみません、もう少し噛み砕いた理解が必要だといま改めて思っているところです。確かにこのポスター、理解しづらい部分があります。もしかすると、フェアウッドの事務局の案に、政府があれこれ校正の書き込みをしたためにわかりづらくなっているのかもしれません。
>Tさん
違法伐採は日本でも行なわれていましたね。色々な事を考えさせられます。 http://www.fairwood.jp/news/pr_ev/2009/pr090423_publish_woew.html お知らせ/イベント – FAIRWOOD PARTNERS 木の流れから、未来をつくる。フェアウッド・パートナーズ
www.fairwood.jp
>TMさん
国産材の伐採現場にいる公務員としてちょっと一言。Sさんの仰る。違法と合法の違いの曖昧な点に関しては国内にも大きく存在します。「わが社は合法木材~」とうたう某大手が実は・・・などというのは枚挙にいとまないです。そもそも論ですが、国内で問題となる大規模皆伐の材は最終的にどう流れるかはちょっと調べれば分かります。
ただ、これをもって皆伐が悪だと言っている訳ではないので念のために。あくまでバランスの問題と思っています。
>近藤
皆様、大変勉強になりました。ありがとうございました。今後もAPP,APRILの紙は国内シェアを増やし続けるでしょう。一筋縄ではいきませんがまた意見交換させていただけましたら幸いです。
これで終わりです。
もっと続けたかったのですが、私が閉めてしまいました。。。
外材が悪!というまえに国内でもいろいろと問題があるようです。
色々な葛藤がかみ合っていますが、
当社では合法木材の取り扱い推進と国産の合法性のある紙を使い続けたいと思います。
投稿でも書きましたが、
「国産材で家を建てた人が、東南アジアの違法伐採の紙を大量に使う」
になって欲しくはありませんし、
国産材で家を建てたような意識の高い方は、知っていればまず使うわけがありません。
そのことに気付いていただけるきっかけを作る必要があると思っています。